強迫症は、大きく「強迫観念」と「強迫行為」の2つでできていると言われている。

強迫観念とは、自分の意思に反して頭から離れない不安や考え。強迫行為とは、その不安を打ち消すために繰り返してしまう行動のことだ。この2つはセットになっていることが多い。

私自身、21年の中で複数の症状を経験してきた。ここでは一般的に知られている症状の種類に、私自身や他の当事者から聞いた実感を交えて書いていきたい。

なお、ここに書くのはあくまで一般的な分類と個人の経験であり、診断や治療については必ず医療機関に相談してほしい。

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不潔恐怖・洗浄強迫

汚れや菌、ウイルスへの感染が怖くなり、手洗いや入浴を繰り返してしまう症状だと言われている。

実際に聞いた話では、トイレのあとにトイレットペーパーで何度も拭き、出血してもなお不安でやめられないことがある。入浴も一度始めると数時間かかり、体力的にも精神的にも疲弊するため、毎日お風呂に入ることができなくなる人もいる。自分の部屋やベッドを「汚したくない、汚されたくない聖域」として守ろうとすることもある。

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確認強迫

鍵やガスの元栓を何度も確認してしまう症状だと言われている。

私自身、これが出発点だった。最初は鍵と火の元の確認だったが、次第に確認の回数と時間が増えていった。やがて忘れ物や落とし物が気になり、何歩か歩いては後ろを振り返って確認するようになった。スマホで写真を撮って安心を得ようとすることもある。

悪化すると、自分の記憶そのものがあやふやになり、記憶を信じられなくなる。確認しても確認しても、安心できなくなる。

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加害恐怖・加害強迫

自分が無意識のうちに誰かを傷つけたのではないか、という強迫観念に悩まされる症状だ。

外出するとき、誰かを傷つけたのではないかと不安になり、目視で何度も確認し、恐怖と不安で疲弊する。対象は人だけとは限らない。物を壊していないか、という形で出ることもある。

私の場合は、掲示板などのガラスを壊していないか、万引きをしてしまったのではないか、といった強迫観念にも悩まされてきた。実際にはしていない。それでも「していないという確信」が持てず、苦しんだ。

ネットや電話で他人を脅迫してしまったのではないか、と考えるようになることもある。その不安が増していくと、ネットやPC、スマホそのものが使えなくなってしまうこともある。

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対称性・正確性へのこだわり

物の配置や順序が「ぴったり」こないと落ち着かず、納得がいくまで何度も直してしまう症状だと言われている。左右対称でなかったり、順序通りでないと、強い違和感や「何か悪いことが起きる」という不安を感じる。

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縁起強迫

不吉な数字や言葉が頭に浮かぶと、家族に不幸が起きるのではないかと不安になる症状だと言われている。不安を打ち消すために、決まった言葉を心の中で唱えたり、決まった回数だけ行動を繰り返したりする。

当事者から聞いた話では、部屋を出るときに必ず右足から踏み出さないと不幸が起こる気がして、右足からしか出られなくなる人もいる。もし左足から出てしまったら、一度部屋に戻り、最後の一歩を右足で踏み入れ直す。そうしたルールに縛られてしまうという。

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「心配性」との違い

鍵を閉めたか不安になる、手が汚れたら洗う。こうした行動は誰にでもある。では強迫症との違いは何か。

一般的には、日常生活に明らかな支障が出ているかどうかが目安とされている。

  • 手洗いや確認に毎日1時間以上かかり、遅刻したり疲れ果ててしまう
  • 家族に自分と同じルールを強要してしまい(巻き込み型)、トラブルになる
  • 不安を引き起こす状況そのものを避け、外出や特定の場所に行けなくなる(回避行動)

多くの人は「この行動は無意味だ」と頭ではわかっている。それでも湧き上がる不安に抗えず、強迫行為を繰り返してしまう。

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最後に

強迫症は、性格の問題でも「気の持ちよう」でもない。脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)の働きが関係しているとされている。

症状は人それぞれで、ここに書いたものがすべてではない。でもどの症状も、本人にとっては本当に苦しいものだ。

もし今、自分の症状がここに書いたものと重なって、ひとりで苦しんでいる人がいたら、伝えたい。あなただけではない。そして、それには名前があり、相談できる場所がある。

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ミナト